・病理検査
患者さんから採取された、臓器や細胞などの検査を行う部門です。
主に病理組織学的検査と細胞診検査があります。
当院では2008年当初より病理検査システムを導入し、受付業務、診断業務、統計処理などの業務をより効率的かつ簡素化し病理検査業務を行っています。 |
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以下に当院病理検査室で行っている病理検査について簡単に解説します。
1.病理組織学的検査
2.術中迅速病理組織検査
3.細胞診検査 |
1・【病理組織学的検査】
手術や、内視鏡検査によって採取された臓器・組織をホルマリンで固定(腐らないように組織の元の状態を保持する)し、大きいものは目的とする病変部などを適切な大きさに切り分け、検体をパラフィンに包埋(パラフィンに埋め込む)し、特殊な器械(ミクロトーム)を用い薄切します。それにより得られた薄切片をスライドグラスに載せ、通常はヘマトキシリン・エオジン染色(H・E染色)で細胞の核を紫色に、細胞質を紅く染めてから顕微鏡で観察・診断する方法です。
染色には、通常行われるH・E染色の他、特殊染色と呼ばれる化学反応を用いた染色により線維や、粘液などを染め出す染色、免疫組織化学的染色や蛍光抗体法と呼ばれる抗原抗体反応を利用した腫瘍細胞などが特異的に分泌している物質を選択的に染め出す染色などがあり、これらを診断の補助として併用することもあります。 |
2・【術中迅速病理組織検査】
手術中に直ちに病理組織学的検索が必要とされた場合などに用いられる方法です。生の検体を急速凍結してから専用の器械(クリオスタット)で薄切、迅速にH・E染色をし、顕微鏡で観察・診断する方法です。この方法では5~10分程度で標本が出来、採取から診断までの時間が非常に短縮されますが、通常のホルマリン固定パラフィン包埋による永久標本に比べて、凍結による組織・細胞の破壊により綺麗な標本が出来ず、細部の観察が出来ない場面があるなど不都合な点もあります。 |
3・【細胞診検査】
検体が組織切片(固体)でない場合、例えば子宮癌検診などで採取される子宮膣部の塗沫材料、喀痰、尿、腹水や胸水などの液状検体、注射針による穿刺吸引の塗沫材料などにおける悪性腫瘍の検索に用いられる方法です。 乳腺や甲状腺、内視鏡下で行われる穿刺吸引細胞診では、細胞検査士が、顕微鏡、染色液を運搬し現場での検体処理およびディフ・クイック染色による適正な検体かどうかの採取確認を行っています。
通常、細胞診検査はパパニコロウ染色、ギムザ染色などを行い、細胞検査士によるスクリーニングと所見の記載が行われ、疑陽性以上と判断されたものと、すべての穿刺吸引細胞診検体については細胞診専門医の確認の上、結果報告を行います。 |
・その他:電子顕微鏡検査
腎生検や心筋生検といった組織検査では、通常の組織検査では確認できないものもあり、それらについては電子顕微鏡学的検査を併用する場面があります。 電子顕微鏡は、通常の顕微鏡では確認できないレベルの微小な細胞構築を確認するために利用しています。 |
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