診療科・医師紹介
呼吸器外科
診療科について
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① 肺がんの手術について
肺がんの術式の多くは肺葉切除です。当科での肺葉切除は6から8㎝の小開胸+胸腔鏡併用下に肋骨・筋肉を切らずに行う胸腔鏡補助下手術と呼ばれる方法で行っています。モニターのみを見て行う完全胸腔鏡下手術と比較すると傷は2から3cmほど大きいですが、傷の数は完全胸腔鏡手術よりも少なく、安全性、根治性、低侵襲性のバランスを兼ね備えた肺がん手術方法であると考えています。がんを治すことはもちろん、術後の患者さんのケアも重要と考え、術後の痛みが少なくなるように手術中に肋間神経に麻酔をしたり、硬膜外麻酔術後に併用し患者さんの苦痛を減らしています。退院までの日数は術後5日となっており、術後在院期間は短くなっています。肺がんの手術でも小型の肺癌には完全胸腔鏡手術で部分切除を行うこともあります。また、より多くの肺を残せるように区域切除も積極的に行っています。患者さんの病態によって手術方式を検討し、最良の手術を提供しています。 -
② 持病のある患者さんの治療について
持病のある患者さんの手術には注意が必要ですが、総合病院の利点を生かして他科の協力を得ることができます。リスクの高い合併症を持つ患者さんの手術にも積極的に取り組んでいます。 -
③ 気胸の治療
若年の患者さんに発生する気胸の治療も積極的に行っています。気胸が軽度の場合にはソラシックエッグ®を使用し外来通院での治療も可能です。手術が必要な場合には胸腔鏡手術を行います。術後2日目に退院となります。気胸の手術は術後再発が問題となります。当科では術後再発を減らすために術式を工夫しており、実際に術後再発率は約5%と低くなっています。 -
④ 当センターでは週1回呼吸器検討会を行っています。呼吸器外科、呼吸器内科、放射線科の医師が集まり、患者さんの治療方針や状態などを検討します。多数の医師が意見を出し合うことでより良い治療を提供できるように努力しています。
当科について
呼吸器外科は、現呼吸器センター部長が着任した2009年に開設されました。以来、肺がんをはじめとする呼吸器疾患の外科治療に取り組んでまいりました。肺、気管、気管支、胸壁、横隔膜、縦隔(両方の肺に挟まれた心臓などのある部分)に発生した疾患を扱っています。肺がんをはじめとする肺の悪性腫瘍や縦隔の腫瘍の治療はもちろん、良性腫瘍や気胸や炎症疾患の診断と治療にも注力しています。肺の手術には高度な技術と経験が必要とされるため3名の呼吸器外科専門医を揃え万全の体制で患者さんを受け入れています。また、2016年より呼吸器外科、呼吸器内科を一つにした呼吸器センターとして診療を行っているため、内科医との速やかな連携が可能となり手術数が増えています。肺がんの手術数は県内トップクラスで年々増加しており、鈴鹿市内の患者さんはもちろん、四日市、津、亀山、桑名、菰野、いなべ、伊賀などの近隣の地域からも患者さんがいらっしゃいます。
当科の特色
医師紹介
呼吸器外科 担当医師
呼吸器外科専門医合同委員会認定基幹施設