部門紹介Department introduction
当院臨床工学科は、1988年医療機器管理部門として設置されました。現在15名の臨床工学技士が在籍しており、手術室・集中治療室・各病棟での保守管理、心臓カテーテル室でのインターベンション治療や不整脈治療、血液浄化療法、人工呼吸療法、内視鏡治療などに従事しております。
循環器部門
循環器部門では、心臓カテーテル検査・治療(冠動脈造影、冠動脈形成術、心臓電気生理学的検査、カテーテルアブレーションなど)、ペースメーカ移植術・交換術、デバイス外来などを行っております。当院は急性冠症候群などの急性期治療が多いのも特色の一つで、夜間休日の緊急治療は1日2名の24時間on call体制をとっております。
冠動脈造影・冠動脈形成術業務
冠動脈造影・冠動脈形成術では、生命維持管理装置など機器類の操作やデータベース入力などを行う外回り業務、清潔でフレーミングや機器の準備を行う医師のアシスタント業務に従事しており、1症例あたり2名の臨床工学技士を配置し、より安全で質の高い医療を提供することを目指しております。
業務内容
ポリグラフ操作・解析
血管内超音波診断装置(IVUS)操作・計測・解析
光干渉断層撮影装置(OCT)操作・計測・解析
ロータブレーター、OAS、IVLなどの介助
体外式ペースメーカ操作・監視
経皮的心肺補助装置(PCPS)操作・監視
大動脈内バルーンパンピング(IABP)操作・監視
アシスタント業務(フレーミングなど)
物品出し(カテーテルなど)
データベース入力
心臓電気生理学的検査・
カテーテルアブレーション業務
心臓電気生理学的検査では、心内心電図解析や、スティムレータ(刺激装置)の操作を行っております。カテーテルアブレーションでは、それに加え三次元マッピング装置(CARTO)などの操作などを行っております。
業務内容
ポリグラフ操作・解析
スティムレータ(刺激装置)の操作
三次元マッピング装置の操作・解析
物品出し(カテーテルなど)
データベース入力
心臓植込型デバイス業務
ペースメーカ移植術・交換術では、ペースメーカアナライザを操作し、心内波高や刺激閾値の測定などを行い、プログラマを用いて設定を行っております。フォローアップとして、毎月第1水曜日、第2金曜日にデバイス外来を行い、電池寿命や作動不全の有無などを確認し、至適な設定を行うように心掛けております。また、デバイスの不具合、不整脈の検出や治療の確認などが早期になされるよう、遠隔モニタリングを積極的に導入しております。
業務内容
ペースメーカアナライザの操作
ペースメーカプログラマの操作
ペースメーカ手帳作成
患者様への指導
物品出し(ペースメーカなど)
データベース入力
デバイス外来
手術・MRI・CT・放射線治療時の設定変更
遠隔モニタリング
デバイストラブル時の解析
血液浄化部門
血液浄化部門では、急性・慢性腎不全に対する血液透析の他に、血漿交換や吸着療法、末梢血幹細胞採取などさまざまなアフェレシス治療を提供しております。
血液透析業務
血液浄化センターは31床あり、月水金(午前・午後)火木土(午前)で稼働しております。入院を要する腎不全患者様に対しての血液浄化療法が多いのも特色のひとつで、重症患者様には個人用透析装置を使用しICUやCCUでの透析も可能です。 また、関連学会で定める透析液清浄化の基準を満たし、I-HDFやOHDF、ハイブリッドHDFを積極的に導入し、合併症の予防や生命予後の改善に努めております。
業務内容
穿刺・抜針
機器操作
データベース管理
機器メンテナンス
水質管理
シャント管理
アフェレシス療法
単純血漿交換・二重濾過血漿交換・血漿吸着・血液吸着・腹水濾過濃縮再静注法、末梢血幹細胞採取などに対応しております
内視鏡部門
当院の内視鏡センターはオリンパス社および富士フィルム社製の内視鏡装置を導入しており、検査・治療を行っています。 スコープの種類・本数も多く、周辺機器も多岐にわたるため2017年より臨床工学技士の介入が開始し、現在は3~4名のCEが日々の業務に携わっています。 臨床工学技士の業務内容はスコープの準備および洗浄、内視鏡システムおよび内視鏡装置の点検・トラブル対応、内視鏡検査・治療の介助などを行っており、安全かつ円滑に検査・治療が行えるよう努めています。
スコープの準備・使用前点検および洗浄
その日、使用するスコープの準備を行うと同時にスコープの異常の有無をチェックしています。内視鏡情報管理システムNEXUSにより洗浄履歴管理をしており、また年1回の細菌培養検査を行うことにより洗浄の質が保たれていることを確認しています。
検査・治療介助
上部・下部ESD、ERCP、EMR、上部/下部ステント留置術、イレウスチューブなど治療および処置の介助を行っています。
内視鏡システムおよび内視鏡装置の点検・トラブル対応
スコープ、内視鏡システム、周辺機器のトラブルが生じた場合CEにより初期対応しています。それによりダウンタイムの減少にも繋がっています。
勉強会
新人看護師、CEへのスコープおよび周辺機器の説明、業者への勉強会依頼の手配など行っています。また、新製品導入時の説明も行っています。
機器管理部門
機器管理部門では、独自の機器管理システムを作成し、ME機器の中央管理・点検・修理を行っております。また、人工呼吸器は安全点検に加え呼吸サポートチームの一員として支援を行っています。
手術室では、手術室で使用する麻酔器、手術モニター、手術機器の点検、修理を行っております。
人工呼吸器業務
ICU、CCU等院内で稼働している人工呼吸器に対して毎日病棟巡回し、動作確認、使用中点検を行い、人工呼吸器が安全に使用されているかを確認しています。
また、医師、看護師、薬剤師、理学療法士などの多職種からなる呼吸サポートチーム(RST)に参加し、人工呼吸管理や呼吸ケアのサポートをしております。
また、各部署から依頼された勉強会なども積極的に行っております。
手術室業務
手術室で使用する麻酔器、麻酔モニター、TVユニット、電気メス、手術ベッドなどの使用前点検をしております。機器使用中のトラブル、故障にも迅速に対応しており、機器が安全に使用できるように心がけています。
また、スタッフに対して、手術で使用するME機器の取扱い方法、安全使用についての教育も行っております。
機器管理業務
院内で使用している輸液ポンプ、シリンジポンプ、低圧持続吸引機などのME機器をバーコードで中央管理しています。独自に作成したシステムを使用することにより当院の環境に沿った細かな管理をすることができ、計画的な保守管理を行うことが可能となっています。
生命維持管理装置の点検は当然のことながら、各種チェッカを用い輸液ポンプ、シリンジポンプ、除細動器などの定期点検も行っております。